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2011年9月 仙台の旅 1日目

3.11の震災から、もう半年が過ぎようとしてる。

震災直後は、気持ちの整理のつかない中、仕事もそれまで通りではいかなくなったこともあり、毎日、ただひたすら、ある日は焦燥感にかられながら、ある日は無力感に包まれながら、ある日はこうして幸せで過ごせることをつくづくうれしく思いながら、過ごしていたように思います。でもとくにはじめの2ヶ月くらいは、ただ必死にあれもやんなくちゃ、これもやらなくちゃ、と焦りがひどくありました。

東京という街にいて、メディアやインターネット、友人知人から聞く被災地の話。何かしなくちゃいけないんだけど、何も出来ない自分。職場で救援物資を仕分けしたり、募金を集めたり、そういうことをしていても、何か現実味が無いままに、でもやらなくちゃという気持ちでただやみくもに出来ることをやる。

外国人も多く泊まる宿をやっているということもあり、そちらはある意味の二次災害で、放っておいたら倒産するのではないかという現実もあり、あるときは頭を下げて回り、これまでやっていなかったことを一つ一つはじめたり、こちらもとにかく闇雲にあれこれやっている日々の中、前髪に白髪がずいぶん増えました。

この半年というもの、気持ちが落ち着く日がなかったといったら、この東京でとくにけがもなく仕事以外は被害も無く過ごしている中では、あまりに贅沢な話なのですが、でもあえて正直に言うと、時々、友人や知人と笑いあえる時間、宿のお客さんが喜んでくれている様子をみる、そういう時に少しの間は楽になるというくらいで、基本的にはどこかいつも胸が苦しくて、まとまりのない考えがぐるぐると駆け巡って、夜中はあまり眠れない、という方が日常でした。

とはいえ、もともとは楽観的な性格なので、そんな気持ちと疲れた体を抱えながらも、周囲の人たちに支えられながら、それなりに元気に毎日を過ごしてきました。


東北にあれから一度も行っていない、ということも、そして行って良いのか、行くとしたら何をしに行けばよいのか、なんていうことについても考えていました。もう、ひとりよがりのどうしようも無いちっぽけな悩みであるなんていうことは分かっていて、でもそれでも考えてしまうのだから仕方がない。


そういうなか、宿とは別に、週末にしている仕事が両日ともに休めて、もうここで行かないということであれこれ考えはじめました。

でも案の定、あれもこれもやらなくちゃという仕事をしているうちに、あっという間に金曜日。知り合いにNPOの経由でボランティアの件も聞いてみたけれど、最低3日はやってもらわないとダメ、ということだったので、なんの準備もない自分が行っても足手まといになるだけだと思い、とにかくもう行ってみよう、ということに決めました。

土曜日の朝、目を覚まし、重い体と頭を抱えてぐずぐず。
やっぱりやめてしまおうか、という思いがちょっと巡ってきましたが、もうとにかく新幹線に乗ればいいんだから、ということで仙台行きを決行。鞄に洗面用具や着替えを簡単に詰め込み、朝食も食べずに出発。

中野駅の格安チケット屋で新幹線の切符を買い、電車に乗り込む。あとで気がついたんだけど、前日までなら、JRがディスカウントチケットを出していて、そちらの方が安いんだけど、まあ当日だったし計画性のない旅なんてそんなもの。そうして次回からはちゃんと計画を立てて行こうと思うのに、また同じことをしてしまう。

東京駅について、もう、こうなったら、観光をする、財布の中に入れたお金使い切るぞ、と決め込む。駅弁も値段を見ずに、おいしそうで食べたいのを選ぶ。

 2011年仙台への旅 やまびこ
やまびこ。
はじめて乗ります、多分。。
仙台には10年以上前に一度行ったことがあるのですが、その時は確か18切符。

乗り込む前に、仙台の安宿に電話。
無事に宿や萩のミックスドミトリーに予約できました。
ミックスドミトリーに泊まるのは2年ぶりくらいだな。

山彦
さて朝ご飯を食べてなかったので、新幹線に乗り込んで、早速駅弁!
ウニとホタテがおいしい〜☆

中央線に乗ってもそうではないのに、やまびこに乗り込んだとたん、急に旅の気持ちが高まってきました。そうだ、こんな気持ちだったんだ。

窓から外を眺めているだけで飽きない。同じような風景なんだけど。
でも途中からトンネルに入ることも多くなってきて本を読んだりして過ごす。
そうこうしているうちに、福島。そのあたりの車窓の景色は、所々屋根瓦の修理が出来ずにブルーシートをかぶせた家々。これが少なくない数ずっと続いている。

それから、その景色をまた眺めているうちにまもなく、仙台駅に到着。

駅のインフォメーションで地図や観光案内などを片っ端からもらい、窓口のお姉さんにお勧めスポットなども聞いて情報収集。

そして徒歩10分くらいの宿にチェックイン。

自分も宿をしているということは予約の時点では言っていなかったのだけど、ゲストハウスはよく泊まるんですか?という質問に、あ、私も宿をやっているので、と答える。
時々、ゲストハウスがどういう場所なのかを知らずに来て、文化になじめずに寂しい滞在をしている人を私も見ているので、同じような質問をお客さんにすることがあり、あ、そうだな、と。

宿や萩のドミトリーは、私自身がバックパッカー全盛期だった頃を思い出させてくれるすてきなところで、なによりも、宿全体に流れているのんびりとした空気がすごく気に入りました。
オーナー自ら布団を敷いてシーツを掛けてくださり、ありがたいことです。

布団の上で、もらってきた観光案内などをあれこれみて、とりあえず、どこに行こうかと漠然とプランを立てる。恥ずかしながら、私は、松島が仙台からそれほど遠くない場所にあることも知らなかったので、観光案内所でパンフレットと交通案内をみて、窓口で観光ができるのかどうか聞いて、初めて松島に行くということを決めたのでした。そう、松島は幸いにして津波の被害が少なく、復興も早かったとのことでした。

そんな具合に、まったくの無知の状態から少しずつプランを組み立てて、宿のリビングルームへ。フリーのコーヒーをいただきながら、オーナーさんにあれこれと情報をいただきました。牛タンはどこで食べたら良いかとか、夜遊べる場所とか。

宿を後にし、まず、少し仙台市内を歩く。
それから、同業者である別のゲストハウスさんに挨拶に行くために、仙石線に乗車。この仙石線も、はじめ読み方が分からず、人にせんごくせんはどこですか?と聞いてちょっと恥ずかしい思いを。。

ゲストハウス梅鉢さんは、仙石線の苦竹駅から5分少々のところにある、今年の8月にオープンしたゲストハウスで、ご夫妻が迎えてくださいました。

こちらは宿や萩さんとは違うキャラクター。新築でおしゃれです。
梅鉢ゲストハウス 仙台
本当は坪庭をしっかり作りたかったのだけど、予算があまりないという話を聞いた庭師さんが、工夫をしてこんなふうにしてくれたそうです。そういうの、いいですね!

梅鉢ゲストハウス 仙台
壁を塗ったときに、手伝ってくれた人たちの手形がいっぱいありました。

梅鉢ゲストハウス 仙台
お部屋もおしゃれです。

梅鉢ゲストハウス 仙台
シソジュースをいれていただき、あれこれお話をしました。ご主人の方は、庭仕事に忙しくて、途中からお話をさせてもらいましたが、オープンまでのご苦労や震災の時のことなど、いろいろと伺いました。
ひとつひとつ手作りでがんばっていらっしゃるのがとても印象的。
あと、いいな、と思ったのは、私がお邪魔をしている間にもご近所さんが数人訪ねていらっしゃったこと。料理人だったご主人がご飯を作ることが出来て、宿のお客さんとご近所さんが一緒に食卓を囲んで交流をしているそうです。いいなぁ。

梅鉢ゲストハウス 仙台
そのご夫妻。すてきなカップルですよね〜!

仙台
梅鉢さんを後にするころにはすっかり日も暮れて。
この写真は川にかかる橋の上なのですが、向こう側のお店はリバーサードなんちゃら(忘れました。。)という名前で、なんとも言えない雰囲気を醸し出していました。

仙台
さて、仙台駅にもどり、宿や萩さんで教えてもらった牛タン屋さんに。
牛タンの厚みにびっくり! 東京で食べる牛タンとは全然ちがいました。おいしい。

仙台
牛タンを食べ終わり散歩。再び駅の前。
本当は日帰り温泉にも行きたかったのですが、日程上、松島に行くなら無理。駅のインフォでの情報収集によると、とあるホテルで源泉温泉があるとのことで、値段は張るけれど、財布の中のお金を使い切ることに決めた私は、その高級ホテルの十何階にある温泉へ。

あ、でも温泉の写真はもちろんありません。
かなりの高層階なので、眺めが楽しめるかと思っていたのですが、スモークのシートが貼ってあってあまり見えませんでした。。残念。でも、ジャグジーも気持ちよく、体の疲れがすっかりとれました。値段が高いので次回は日帰り温泉の方になんとしてでも行きたいけれど、無計画の旅の中のひとつとしてはなかなかです。

さて温泉にも入って、もう夜も更けてきました。
牛タンを食べる時にはあえてビールを飲まなかったのは、もちろん温泉の後に飲むビールを楽しみにしていたからです。

やはり教えてもらっていた繁華街、国分町に。
それまでの道のり、アーケードなども人で賑わっていましたが、国分町に近づくごとにもっと賑やかに。途中、弾き語りのお姉ちゃんの歌なんかも聴きながらの散歩は気分が良い。

国分町に着くと、確かにたくさんの飲み屋さんやらなにやらがいっぱい。でも、女ひとりで飲めそうな店でなくちゃいけない。気分的にはというか、キャラ的にショットバーという感じでもないので、小さな居酒屋でカウンターで一人で飲めると良いんだけど、とゆっくり歩いていたら、ビビっとくる店が。


そんなわけで入ったのは阿古というお店。
生ビールを頼み、飲み始めてしばらくすると、向こう側にひとりでいる男性が外国人だということが分かる。もとバックパッカーでなんちゃって英語は得意。他のお客さんが通じなくて困っている風なところを、いやみったらしく、あら、どこから来たのかしら?おにいさん?なんて具合に行ければ格好も良いのかもしれないけれど、ま、普通に会話に入っていく。

聞いてみるとたまたまとあるの公演のために(ちょっと大きいところなので名前は伏せます)アメリカから仙台に来ているとのこと。他の仲間は、ホテルにこもっているけれど、僕はせっかくだからおいしいものもたくさん食べたいし、こういう場所で地元の人と話がしたいんだ、と目を輝かせて話してくれました。

詳しく聞いてみると、やはり、他の人たちは、放射能を心配してあまり外に出たがらないし、食べ物が安全なのかどうかも疑っているとのこと。

仙台
阿古で出会ったみなさん。楽しい仙台の夜になりました〜。

仙台
もう牛タンも食べて来ていたので、突きだしと、あとじゅんさいを頼んで、それで一杯飲めればいいかなと思っていたのですが、なんと、小ナスの漬け物と鰹のあぶりをごちそうしていただきました。この鰹がすごくおいしかった。でもニンニクは次の日まで残っちゃいましたが(笑)

塩竃
阿古のご主人と奥様。本当にありがとうございました。また仙台に行く機会があれば、必ず行きます。

そんな具合に夜はすっかりミッドナイトへ。
ちょっと遅くなりすぎたかなと思いつつ、ほろ酔いで気分よく歩いて宿へ。

宿では、まだまだ他のおきゃくさんたちもリビングでのんびりしていて、ちょっと安心。そのまったり感がまたたまらなく良い雰囲気。オーナーさんはフロントでお仕事をされていて、同業ということで少しそのあたりの業界の話をしました。
それにしても、ここのオーナーさん、経歴も面白いし、お話も面白いし、でものんびりとした雰囲気で、こういう方が安宿をやるとこういうまったりした空気ができるのかなと思いました。

そうそう、梅鉢さんで塩釜の仲買市場が再開を果たして今やっているという話を聞いて、そしてなにより寿司がうまいということで、翌日はまず塩釜へ行くことに。塩釜から松島まで遊覧船が出ているので、それに乗って松島へ行けば!という完璧なプランを胸に、ミックスドミトリーで眠りについたのでありました。

1日目の旅はここまで。

何か出来ることがあるかも、とか、いろいろ考えていたりしたけれど、すっかり仙台に癒されてしまっている自分がおりました。
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