喫茶店での出来事。
週末の夕方、最近ではだんだんと少なくなってきた、喫煙席がほとんどの古い喫茶店。私はタバコは吸いませんが、吸っている人と一緒にいても気にならないし、いわゆる喫茶店が好きなので(カフェも好きですが、喫茶店とは違いますよね)、そのお店には考え事をするためか、本を読むために一人で時々出かけます。
週末になると、そのあたりのお店はどこも満員で、その喫茶店もほとんど満席。幸い、角の暗い小さな禁煙席がひとつだけ空いていて(禁煙席はこのお店には3席しかないんだけど、多分喫煙者のお客さんが多いので空いてたんだと思います)、そこに通されました。
隣の4人掛けの席には、4人掛けの席が2人掛けに思えるような体格の外国人の男女が2人ずつ座っていて、熱心にパソコンの機能などについて話をしていました。
私はその日は朝から撮影の仕事が入っていたので、昼ごはんは食べずにいて、でもまだ夕飯の時間には少し早いかなあという感じだったので、アイスティーと一緒にピザトーストを頼みました。
このお店には時々行くのですが、この日は混み合っているからか、それとも店員がなれていない人たちなのか、注文を取るのも、お水を持ってくるタイミングも、なんとなく違和感がありました。でも、ちゃんとアイスティーがまず注文どおりに来たので、本を読んで、時折、隣の外国人たちの話しに耳を傾けて(声がやたらに大きいから、聞きたくなくとも聞いちゃう感じで)、アイスティーをやはりちびちびと飲んでいました。ピザトーストを待ちながら。
そうこうしていると、若い女の子のウエイトレスが、その4人のテーブルにもそれぞれに注文したコーヒーやらなにやらを持ってきて、
「大変お待たせいたしました」
と彼らに声を掛けていました。
何しろ4人掛けの席が2人掛けに思えるくらいなので、私はウエイトレスが狭い隙間に体を入れられるように、本を読むのをいったん休んで、顔を上げて少し体をずらさなくちゃいけなかったのですが、その状態だったので、ウエイトレスが下がるまでという感じでで、そっと外国人たちの方を見ていました。
外国人たちは、そのウエイトレスが全ての飲み物をテーブルに置き終わると、嬉々として、
「アリガトウ」
と声を掛けていました。
現地の言葉でお礼を言うのって、結構、心ときめくというか、楽しいものだよなあ、と私も心の中でその一瞬は思って、また本に目を落とそうかと思った時、
そのウエイトレスは毅然として、
「I am chinese」
と。
外国人の彼らは、しばらくの間言葉が出ずにいました。そして、彼女が去った後に、そのことについてひとしきり10分ほど話しをしていました。日本人と中国人はどうやったら見分けがつくのか。こういう場合は、中国語でもう一度返したほうがいいのか、などなど。
私はまた本を読むふりをして、しばらくその話しを聞いていましたが、なんだかおかしくて笑ってしまいそうでした。でも笑ってしまう前にピザトーストがやってきて、ピザトーストをもってきたのが、その中国人のウエイトレスだったので、ありがとうとは言わずに軽く会釈をしました。
ピザトーストを食べながら、でもこういうことをおかしく思って笑うのは、ちょっと私はひねくれているのかな、なんて思い、また本を読み始めました。
週末になると、そのあたりのお店はどこも満員で、その喫茶店もほとんど満席。幸い、角の暗い小さな禁煙席がひとつだけ空いていて(禁煙席はこのお店には3席しかないんだけど、多分喫煙者のお客さんが多いので空いてたんだと思います)、そこに通されました。
隣の4人掛けの席には、4人掛けの席が2人掛けに思えるような体格の外国人の男女が2人ずつ座っていて、熱心にパソコンの機能などについて話をしていました。
私はその日は朝から撮影の仕事が入っていたので、昼ごはんは食べずにいて、でもまだ夕飯の時間には少し早いかなあという感じだったので、アイスティーと一緒にピザトーストを頼みました。
このお店には時々行くのですが、この日は混み合っているからか、それとも店員がなれていない人たちなのか、注文を取るのも、お水を持ってくるタイミングも、なんとなく違和感がありました。でも、ちゃんとアイスティーがまず注文どおりに来たので、本を読んで、時折、隣の外国人たちの話しに耳を傾けて(声がやたらに大きいから、聞きたくなくとも聞いちゃう感じで)、アイスティーをやはりちびちびと飲んでいました。ピザトーストを待ちながら。
そうこうしていると、若い女の子のウエイトレスが、その4人のテーブルにもそれぞれに注文したコーヒーやらなにやらを持ってきて、
「大変お待たせいたしました」
と彼らに声を掛けていました。
何しろ4人掛けの席が2人掛けに思えるくらいなので、私はウエイトレスが狭い隙間に体を入れられるように、本を読むのをいったん休んで、顔を上げて少し体をずらさなくちゃいけなかったのですが、その状態だったので、ウエイトレスが下がるまでという感じでで、そっと外国人たちの方を見ていました。
外国人たちは、そのウエイトレスが全ての飲み物をテーブルに置き終わると、嬉々として、
「アリガトウ」
と声を掛けていました。
現地の言葉でお礼を言うのって、結構、心ときめくというか、楽しいものだよなあ、と私も心の中でその一瞬は思って、また本に目を落とそうかと思った時、
そのウエイトレスは毅然として、
「I am chinese」
と。
外国人の彼らは、しばらくの間言葉が出ずにいました。そして、彼女が去った後に、そのことについてひとしきり10分ほど話しをしていました。日本人と中国人はどうやったら見分けがつくのか。こういう場合は、中国語でもう一度返したほうがいいのか、などなど。
私はまた本を読むふりをして、しばらくその話しを聞いていましたが、なんだかおかしくて笑ってしまいそうでした。でも笑ってしまう前にピザトーストがやってきて、ピザトーストをもってきたのが、その中国人のウエイトレスだったので、ありがとうとは言わずに軽く会釈をしました。
ピザトーストを食べながら、でもこういうことをおかしく思って笑うのは、ちょっと私はひねくれているのかな、なんて思い、また本を読み始めました。
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