旅人文化ブログなんでも版

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夜と霧

ため込んでいた大量の本を売りに出しました。
多分、4〜500冊くらい。

残す本を選別したのですが、その中でこの本を読み返しています。
フランクルの「夜と霧」

言わずと知れた名作です。
とはいえ、私もこの本を知ったのは、20代前半、編プロでお手伝いをしていたときでした。
そこの営業を担当していた方が、僕にとっての大切な一冊、ということで教えてくれたのでした。確か仕事の後にホッピー飲んで酔っ払いながら聞いた記憶があります。
そのあと早速、本屋に行って購入したのがこの本。長い間本棚でひっそりと眠っていました。


これは2000年にアウシュビッツを訪れた時の写真です。
私は先に勉強をするということができない性格で、ほぼ無計画に世界のいろんな場所を実際に訪れて、それで興味が出てきて、もっと知りたいといろいろ聞いたり読んだりします。実際に自分の足でその場所に行って、自分の目で見て、ようやく好奇心が刺激される。旅行中は私とは真逆の方たちがたくさんいて、本を読んで、映画を見て、歴史を知って、その場所に来た、という方達にあれこれ教えてもらったものです。

(だからとりあえず若い人達にはどこかに行って欲しいな、っていう気持ちがあります。日本でも良い。行けば何か興味が沸くっていう場合もあるから。歴史とかじゃなくても、自然とか、なんでもね。)

アウシュビッツは、偶然にも中学校の同級生とそして彼と同じ大学の男の子と一緒に行きました。
みんな1人旅でしたが、宿でポーランド特産の蜂蜜酒を飲んでいたら、何となく話しをして、お互いの共通点を見つけてびっくりしたのでした。
もともと1人で行くつもりだったアウシュビッツでしたが、3人で行けて本当に良かったなと今でも思います。3人でもあの後は夕飯を食べる気にならなかったくらいに憂鬱でした。平和な日本で暮らしていると、人間ってあんな施設を作ってしまうんだということに、信じられない気持ちになります。

 
さて実はしばらく前から体調を崩してしまい、日々の動くペースをゆっくりにしておりました。
昨年は仕事で大工、現場監督、日常の業務、同時進行であれこれで、やっていた時には大変だなぁ、きついなぁ、くらいに思っておりましたが、一区切りついたところで急にがっくりと来てしまったようでした。体重が減って体力がなくなったこと、いろいろなところでストレスを抱え込んでしまったのも原因だと思います。

30代半ばを過ぎると、特に女性はむちゃが祟ってくるみたいですね。

それでも会社のみなさんのおかげでゆっくりと仕事もさせてもらい、できることを日々やっております。撮影も続けられているし、自分のペースでひとつひとつ仕事をさせてもらって回復しています。

そういう中でこの本を読み返して、ああ、やっぱり恵まれてるなぁ、って思うばかりです。

この間友達に、世界中まわってきて、今までで一番おいしいって思ったのは何?って質問されました。
まず頭に浮かんだのは、3.11の大震災の後に食べたコンビニのおにぎりでした。いつも食べるコンビニおにぎりがものすごくおいしかった。

世界はいつでもどこかで物騒だし哀しいことも多いですが、この本は、人間ってすごいって、すごく悪い意味でもすごく良い意味でも、感動します。
私はこの新訳しか読んだことありませんが、とても読みやすいので、まだ読んでいない方はぜひ。
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